顔のなかでも特に皮膚の薄い目の下は、年齢とともにたるみが気になりやすい箇所ではないでしょうか。
目の下のたるみは、年齢を重ねることで肌をつなぎ止めていたはずの筋肉が弱ってくることで起こります。
すでにできてしまった目の下のたるみを改善するためには、以前まではメスを使った手術が主流でした。しかし、現在はメスをほとんど使わない施術が普及してきています。
ハイフもその1つであり、目の下の筋膜を引き上げることで、目の下のたるみを改善できる効果を見込めるものです。
今回は、ハイフ施術についてのさまざまな情報をお伝えします。
目の下のたるみ改善にハイフは効果ある?
目の下のたるみは、前述したように顔の筋肉や筋膜が弱ってくることで起こります。
加齢・運動量の低下・ホルモン量・栄養バランスの悪化などによって、顔の筋肉も衰えていきます。
特に顔は、表情筋に直接皮膚がつながっているため、筋肉や筋膜の衰えが皮膚のたるみとして出やすいのです。
また、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を維持する成分も加齢によって失われていくため、ハリが失われ、たるみが引き起こされやすくなります。
その筋膜を引き上げる効果を見込めるのが、ハイフという高密度な超音波を発するマシンによる施術です。
従来のマシンでは届かなかった、皮膚の奥深くの層まで超音波を到達させられます。
フェイスリフトの手術でしか実現できなかったたるみ改善を、メスを使わずにマシンで照射して効果を期待できるため「切らないフェイスリフト」とも呼ばれているのが特徴です。
ハイフ施術は自由診療にあたります。そのため、公的医療保険が適用されません。さらに、使用されるマシンは未承認医療機器であり、国内においては承認されていません。
ハイフ施術は需要の高い施術ではありますが、複合的に判断して慎重に検討するようにしましょう。
目の下のたるみへのハイフ施術の内容
ハイフは、高密度な超音波を目元の下に照射することで、目の下のたるみを改善する効果を望めます。
メスを使わず、皮膚の深層にピンポイントでアプローチするため、ダウンタイムがほとんどないといわれています。そのようなハイフの施術内容についてご紹介します。
目の下のたるみをリフトアップする
冒頭にてご説明したように、目の下のたるみの要因は、筋肉・筋膜の衰えやコラーゲンの不足であるいわれています。
特に目の下は皮膚が薄く、たるみが目立ちやすい部分です。ハイフ施術は高密度な超音波によって弱っている筋膜を引き上げ、再び引き締める効果を期待できます。
これにより、目の下のたるみをリフトアップすることが望めるのです。
コラーゲン生成を促し目元にハリを生む
ハイフ施術をすると、熱エネルギーによって一部の組織が刺激を受けます。刺激を受けた組織は、そのダメージを修復するために大量のコラーゲン生成を促します。
コラーゲンが生成されて組織が再生されると、肌表面のハリやツヤが大幅にアップする効果を期待できるでしょう。
ハイフ施術は、筋膜を引き上げると同時にコラーゲン生成を促すので、たるみのない若々しい肌を実現することが望めます。
目の下の脂肪を融解する
ハイフ施術によって照射される超音波には、目の下の脂肪を融解する働きもあります。
ハイフ施術で照射される超音波は焦点部分のみに65℃~70℃の高温を与えるため、脂肪細胞の融解に効果を期待できます。
脂肪によるたるみを減らし、筋肉やコラーゲンを活性化させることで、徐々に目の下のたるみの改善が見込めるのです。
目の下のたるみへのハイフのメリット
目の下のたるみ改善には、ハイフ以外にもさまざまな施術法があります。ハイフを選択することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは以下のメリットをご紹介します。
- 即効性が高くダウンタイムが短い
- リスクが少ない
- お手頃な価格で施術を受けられる
それぞれを確認していきましょう。
即効性が高くダウンタイムが短い
ハイフは、従来のリフトアップ手術のようにメスを使いません。そのため、ダウンタイムがほとんどなく、即効性が高い傾向にあります。
まれに赤みが生じることがありますが、2〜3日程度で引きます。施術直後からメイクできるので、気になる場合には隠すことも可能です。
もちろん何回か施術することでより効果を見込めるようになりますが、1回のハイフ施術でも当日から効果を期待できます。
リスクが少ない
メスを使わないハイフ施術は、リスクが少ないといわれています。
従来の外科手術は、たるみ改善の効果は高く期待できるものでしたが、痛みや腫れを伴うリスクの高いものがほとんどでした。
しかしハイフは熱エネルギーを超音波式に発するため、メスを使わずにターゲットを絞って照射できるようになりました。
これにより、ほかの組織が傷つくことがないため、リスクが少ないのです。
ただし、赤み・腫れ・麻痺などの副作用が生じる可能性は0ではありません。経験豊富な、信頼できる医療機関に依頼することが大切です。
手頃な価格で施術を受けられる
ハイフ施術は、顔全体で40,000円〜300,000円(税込)が相場となっており、外科的手術よりもお手頃な価格で受けられます。
Newダブロを使用した施術の一例として、顔全体のハイフ施術は1回120,000円(税込)・目元(目の上・下)は1回75,000円(税込)とされています。
また、ウルトラフォーマーⅢを使用した施術の一例としては顔全体が1回222,000円(税込)・目まわりが1回77,000円(税込)です。
ハイフ施術は目の下のたるみ改善だけでなく、美肌効果も見込めるため、コストパフォーマンスのよい施術であるといえます。
目の下のたるみへのハイフにはデメリットもある
目の下のたるみ改善に対し、ハイフを行うことにはもちろんデメリットもあります。ハイフ施術を受ける前に、デメリットについても頭に入れておきましょう。
ここでご紹介するハイフ施術のデメリットは以下のものです。
- 人によっては効果が得られない場合がある
- 複数回施術を受ける必要がある
- 副作用が起こる場合がある
それぞれを確認していきましょう。
人によっては効果が得られない場合がある
ハイフは、高密度な超音波を発することで、目の下のたるみを引き起こしている筋膜に直接アプローチをします。
従来のマシンでは届かなかった皮膚の深層までアプローチできるため、高い効果を見込めることが魅力です。
しかし効果には個人差があるため、人によってはハイフ施術ではあまり効果を得られない可能性があります。
ハイフ施術は外科手術のように根本的に解決する施術をしているわけではなく、あくまで皮膚の上から照射を行い、筋膜を刺激したり熱効果を与えてコラーゲンを生成したりする施術です。
そのため、たるみの程度によっては効果があまり見られない場合があります。
改善度合いには個人差が大きいため、まずは信頼できるクリニックでしっかりとカウンセリングを行うことが重要です。
また、不安な方はまずは浅い位置に広くハイフ施術を行って効果を試してみてはいかがでしょうか。
ハイフ治療はすぐに効果が実感できますが、ピークとなるのは細胞が再生する2〜3ヵ月後です。そういった点も併せて、事前にしっかりと相談しておきましょう。
複数回施術を受ける必要がある
ハイフによる効果は、初めて施術を受けた当日からでも期待できます。しかし、複数回施術を受けることで、より長期間効果を維持することが可能です。
ハイフ施術による効果は、基本的に半年程持続します。そのため、リフトアップ効果を長く維持したい場合は、3ヵ月~半年に1度程度の施術を受ける必要があります。
ハイフ施術を継続して受けなかったからといって肌が急激に老化することはありませんが、リフトアップされた状態を維持するためには定期的な施術が必要となることを意識しておきましょう。
副作用が起こる場合がある
ハイフは熱作用を加えるため副作用が起きる可能性があります。起こりやすいのが、お肌の赤みや乾燥です。
ハイフは皮膚の下に熱を加えて、それによってコラーゲンの増加を促す施術です。そのため、施術後はお肌を十分に保湿し、あまり刺激を与えないよう気をつけましょう。
お化粧などを行う際は、刺激の強い化粧品は避けるようにしてください。
また、稀にですが神経知覚運動障害が起こることがあります。
1ヵ月程で落ち着くことがほとんどですが、ひどい場合や時間が経っても改善しない場合は医療機関に相談しましょう。
ハイフを受ける医療機関を選ぶポイント
ハイフ施術には、ダウンタイムや副作用のリスクが少ないメリットがありますが、完全に0というわけではありません。
そのため、ハイフ施術を受ける医療機関を選ぶ際は、経験豊富な医療機関を選ぶことがポイントです。
ほかの要素としては、複数回施術できるようなアクセスのよさがあるか・カウンセリングが丁寧であるかという点も重要です。
それぞれの点について、重視したい点を細かくみていきましょう。
ハイフの施術の経験が豊富か
ハイフは肌に熱作用を与えるため副作用のリスクも存在します。
また、効果的にリフトアップ効果やコラーゲン生成効果を得るためには、肌のどの部分に熱作用を与えるかが重要です。
そのため、安全性を重視し効果的な施術を受けるためには施術経験が豊富で信頼できる医療機関を利用することをおすすめします。
料金体系が明確か
ハイフの効果を維持するためには定期的な施術が理想となります。そのため、費用についても考慮しておく必要があるでしょう。
ハイフ施術の費用は医療機関によって異なります。まずは明確な料金体系が提示されているかどうかを確認しましょう。
また、ご自身の予算のなかで続けられる医療機関を探すことも考えてみることをおすすめします。
カウンセリングが丁寧か
ハイフ施術は人それぞれ効果的な範囲や施術が異なります。どういった施術が効果的で、どのような仕上がりを目指したいか、まずはしっかりとカウンセリングを行う必要があります。
カウンセリングを丁寧に行ってくれるかどうか、違和感のある提案がないかを施術前に確認し、納得できる医療機関で施術を受けるようにしましょう。
例えば、ハイフ施術の売り文句としてショット数の多さを誇張されることがありますが、ショット数の多さはそこまで重要ではありません。
ショット数とは筋膜へ照射する回数のことのため、当てる回数が多ければ効果も高まるのかと思ってしまうでしょう。
しかし、実際はショット数よりも、患者さんの事情に合わせて方向や当て方を調整することの方が重要です。
こうした画一的な基準で施術を行うクリニックよりも、患者さんに真摯に向き合いそれぞれに合った施術方法を提案できる医療機関である方が、信頼できる医療機関といえます。
まとめ
ハイフは、目の下のたるみを改善する効果を期待できます。ほかにも肌にハリが出たり、毛穴が小さくなったりといった美肌効果を得られる可能性があることも大きなメリットです。
当日から効果を期待しやすい即効性もあり、リスクが少ないことも挙げられます。
しかし、人によってはそもそも施術が向いていない場合や不可能な場合があるため、慎重に検討することが大切です。
信頼できる医療機関でしっかりカウンセリングを受け、納得できる形で施術を受けることをおすすめします。
参考文献