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シミとそばかすの違いは?治療方法や予防法も詳しく解説

シミとそばかすの違いは?治療方法や予防法も詳しく解説

シミとそばかすにどのような違いがあるのかご存じでしょうか。どちらも顔にできると目立ってしまうため、お悩みの方もいるでしょう。

改善のためには、治療方法と予防法を正しく知っておく必要があります。

こちらの記事ではシミとそばかすの違いについて、治療方法や放置した場合のリスク、予防法と併せて解説しています。

コンプレックスをなくし、若々しい見た目と自信を手に入れるための一助となれば幸いです。

シミとそばかすの違いは?

女性の肌

シミは皮膚表面に現れる色の付いた斑点を指し、そばかすはシミの一種です。シミには次の種類があります。

  • そばかす(雀卵斑)
  • 老人性色素斑(日光性黒子)
  • 肝斑
  • 炎症性色素沈着

原因

シミやそばかすの直接的な原因は、過剰生成されたメラニン色素の蓄積です。

皮膚は表面から、表皮、基底層、真皮の順に層になっています。黒色や茶色のメラニン色素を生成するのが、基底層にあるメラノサイトという細胞です。

紫外線などの外的刺激やホルモンによる刺激が生じると、メラノサイトが肌を守るためにメラニン色素を生成します。

生成されたメラニン色素は皮膚の代謝(ターンオーバー)によって基底層から皮膚の表面に上がり、垢や角質として排出されます。

ターンオーバーの周期は約28〜56日といわれており、年齢とともに周期が長くなるのが一般的な傾向です。

ターンオーバーの周期が長くなると、メラニン色素の排出よりも生成が優勢となり、蓄積したメラニン色素がシミやそばかすとして定着しやすくなります。

過剰な刺激により排出しきれない量のメラニン色素が生成され続ける場合も、排出しきれず蓄積したメラニン色素がシミになります。

シミの種類別にみたメラニン色素の過剰分泌の原因は次のとおりです。

  • そばかす:体質・遺伝・紫外線
  • 老人性色素斑:紫外線・加齢
  • 肝斑:ホルモンバランスの乱れ
  • 炎症性色素沈着:皮膚の損傷・炎症(ニキビ・傷など)

老人性色素斑や肝斑、炎症性色素沈着は主に外部刺激が原因となる一方で、そばかすは体質や遺伝など生まれ持った素質が影響するという違いがあります。

そばかすも根本原因はメラニン色素の蓄積のため、ほかのシミと同じように外部刺激にも注意が必要です。

症状

そばかすはスズメの卵のような模様のシミとなるため、雀卵斑とも呼ばれます。黄褐色の斑点が広範囲にわたって現れるのが特徴です。

顔や手足の甲にできることが多く、特に鼻を中心として目の下に左右対称に出現することが多いです。

老人性色素斑は黒褐色〜灰色のシミで、輪郭がはっきりとした円形や楕円形です。顔や手の甲など、紫外線を浴びやすい箇所に出現します。

肝斑はその形が肝臓に似ていることから名づけられました。輪郭がぼんやりとした茶色のシミで、出現箇所は顔や手の甲、首です。頬骨のあたりに左右対称に現れることが多く、くすみと思われる場合もあります。

炎症性色素沈着はニキビ跡などにできるシミです。皮膚の炎症や傷が治った後に、同じ場所に黒ずんだシミができます。

以上のようにシミの症状は種類によって異なり、複数の種類のシミが同時に現れる頻度が高いです。

なお、シミの種類によって皮膚のどの層にできるかが異なります。

皮膚表面に近い表皮にできるのが老人性色素斑やそばかすです。肝斑は表皮から基底層にかけてでき、炎症性色素沈着は表皮から真皮層にかけて幅広く現れます。

深い層のほうがターンオーバーに時間がかかるため、消えにくいシミとなります。

年齢

肌を気にする女性

そばかすは幼少期から思春期にかけてできることが多いです。そばかすは子どものうちにできて思春期にかけて色が濃くなり、大人になると薄くなる傾向があります。

大人になってからもそばかすが残り、見た目が気になる場合は治療を検討しましょう。

老人性色素斑や肝斑、炎症性色素沈着は30〜40歳代から目立ち始めます。30歳代頃からターンオーバー周期が長くなるためです。ただし個人差があるため、20歳代で現れる場合もあります。

肝斑は女性ホルモン(特にエストロゲン)との関連が指摘されており、閉経すると改善する場合があります。

大きさ

シミの大きさや形は種類によって異なります。

そばかすは直径1〜3mm程度の小さなシミがたくさんできます。老人性色素斑は小さなものから数cmあるものまでさまざまです。

肝斑の大きさは個人差がありますが、老人性色素斑より大きく広範囲にわたる傾向にあります。

シミとそばかすの治療方法に違いはある?

女性の目元

シミとそばかすの治療方法は基本的に違いはなく、メラニン色素の生成を抑制したり、メラニン色素を破壊したりすることで治療を行います。

ただし医療機関で施術を受ける場合は、シミの種類によって施術方法や使用する医療機器が異なります。

医療機関の方針にもよりますが、一般的なシミ(老人性色素班)ではレーザー治療が選ばれるのに対し、そばかすでは光治療をすすめられるでしょう。

そばかすは皮膚の浅い部分に広く出現するため、広範囲を同時に照射できる光治療が適するためです。

しかし肝斑を併発している場合は、そばかすに対しても光治療ではなくレーザー治療となるなど、実際の患者さんの状態によっても治療方法が変わります。

シミの種類の判別は難しく、複数の種類のシミが複合的に表れている場合も少なくありません。自己判断するのではなく、皮膚科や美容皮膚科で専門の医師に相談することをおすすめします。

シミとそばかすの治療方法

肌を気にする女性

そばかすをはじめとするシミの治療方法は主に次の3つです。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 施術

治療効果を高めるために上記を組み合わせて治療を行う場合もあります。各治療方法について解説します。

内服薬を服用する

シミやそばかすの治療で利用される内服薬として、ビタミンCやトラネキサム酸があります。

シミの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きがあるのがビタミンCです。トラネキサム酸はアミノ酸のひとつで、同じくメラニン色素の生成を抑制する働きがあります。

内服薬はすでに存在しているシミを治療するというよりは、新たなシミを作らせないようにする予防的な役割があります。

外用薬を使用する

シミやそばかすの治療で利用される外用薬には、トレチノインやハイドロキノンがあります。

トレチノインは皮膚のターンオーバーを促進し、メラニン色素を排出させる作用があります。一方ハイドロキノンの作用は、新たなメラニン色素の生成の抑制です。

いずれも外用薬として皮膚に塗ることで色素沈着を防ぎます。

トレチノインは皮膚に耐性ができやすいほか、妊婦への催奇形性など注意すべき点があるため、医療機関で処方を受けるようにしましょう。

施術を受ける

カウンセリング

シミとそばかすの治療方法として皮膚科や美容皮膚科などの医療機関で受けられる施術は主に次のとおりです。

  • レーザー治療(ピンポイント)
  • レーザー治療(トーニング)
  • 光治療

老人性色素斑やそばかすはどの方法でも治療が可能ですが、シミの状態や肝斑の有無により適した治療法が異なります。

レーザーや光はメラニン色素を破壊しシミを目立たなくする効果があります。レーザーと光の違いは、同時に照射可能な波長数です。レーザーの波長数が1~2つであるのに対し、光は複数の波長を同時に照射できます。

輪郭がはっきりした目立つシミを消したい方には、ピンポイントのレーザー治療がおすすめです。高出力のため効果が高く、照射回数を減らすことができます。

ダウンタイムは1ヵ月程度です。レーザーを照射した部分にかさぶたが形成されるため、一時的にシミ部分が目立つ状態になります。

肝斑を悪化させるリスクがあるため、肝斑がある方には適しません。

肝斑を含む広範囲のシミにお悩みの方は、レーザートーニングという選択肢があります。出力が低めのレーザーを皮膚全体にあてることで、肌の色調を改善する施術です。

ピンポイントのレーザー治療と比較してダウンタイムが短く、肝斑を改善する効果も期待できます。

光治療はIPLと呼ばれる光を照射する施術です。シミやそばかすだけでなく、肌の赤みやくすみに対する改善効果があります。

光治療はダウンタイムが短い点がメリットですが、複数波長を使用することから肝斑を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。

照射時間はレーザーの場合で5~10分、光照射で20分程度です。1回の照射でシミがなくなるわけではなく、複数回照射する必要があります。施術の種類によって異なりますが、1~3ヵ月に1回照射するのが一般的です。

照射時はゴムではじかれたような痛みがありますが、麻酔がいらない程度の痛みです。麻酔の用意があるクリニックもあるため、心配な方は事前に相談しましょう。

患者さんの肌の状態やシミの種類によって適する施術が違うため、治療を検討している方は皮膚科や美容皮膚科でカウンセリングを受けることをおすすめします。

シミやそばかすができやすい人の特徴

肌を気にする女性

シミの種類ごとにできやすい人の特徴は次のとおりです。

  • そばかす:色白の人
  • 老人性色素斑:日光(紫外線)にあたる機会が多い人
  • 肝斑:妊娠中や妊娠経験がある・経口避妊薬(ピル)を服用している・強いストレスを感じている女性
  • 炎症性色素沈着:皮膚トラブルを起こしやすい人

またどの種類のシミでも、紫外線により色が濃くなるといわれています。

野外での活動機会が多く紫外線対策が疎かになりがちな人は、シミが目立ちやすくなるため注意が必要です。

シミやそばかすを放置するとどうなる?

ソファに座る女性

シミやそばかすを放置した場合、色素沈着や脂漏性角化症のリスクがあります。

シミは皮膚の病変のひとつですが、良性のため健康に直接的な害はありません。しかし放置すると悪化し、見た目の美しさを損なうことにつながります。

また、形や色が変化している場合は注意が必要です。シミやそばかすだと思っていたら、皮膚がんや皮膚の疾患だったという場合もあるためです。

日頃から皮膚の状態を意識し、異常を感じた場合はすぐに医療機関で受診しましょう。

色素沈着を引き起こす

シミやそばかすを放置するリスクのひとつが、色素沈着です。

シミやそばかすの存在は、メラニン色素が過剰生成されている、またはターンオーバーが長くなっていることを示します。対策をとらないでいると、メラニン色素が蓄積され続け色素沈着が起きます。

悪化や増加を防ぐため、シミやそばかすができたら放置せず改善や予防に努めましょう。

脂漏性角化症のリスクとなる

脂漏性角化症とは、褐色から黒色の加齢とともに増えるいぼです。

皮膚の老化現象のひとつで、老人性いぼとも呼ばれます。早い人では30歳代から出現します。

直径数mmから2~3cm程度の大きさで、わずかに盛り上がるのが特徴です。シミと同じく、メラニン色素の過剰生成が原因で発生します。

がんなどの悪性腫瘍になることはありませんが、自然に消えることはありません。平坦なシミ(老人性色素斑)と比較して治療が難しくなります。

野外で活動する機会が多い人は、紫外線対策を怠ると脂漏性角化症を引き起こしやすいため注意が必要です。

シミとそばかすの予防法

クリームを塗る女性

シミやそばかすの予防方法は次のとおりです。

  • 日焼け止めを塗布するなどの紫外線対策を行う
  • 肌に刺激を与えないよう注意する
  • 健康的な食生活を心がける
  • 生活リズムを整えてストレスを解消する

これらの予防法をとることでメラノサイトの活性化を防ぎ、メラニン色素の過剰生成を抑えることが可能です。

また医療機関でシミやそばかすの治療をした場合も、再発を防ぐため継続的に予防することが重要です。

日焼け止めを塗布するなどの紫外線対策を行う

シミやそばかすの予防のためには、紫外線から皮膚を守ることが大切です。

日焼け止めを使用するほか、帽子の着用や肌を露出しすぎない服装などで紫外線対策を行いましょう。

日焼け止めクリームは夏場だけでなく一年を通しての使用が効果的です。

紫外線対策はシミやそばかすを予防するだけでなく肌トラブルの予防にもつながるため、積極的に取り組むことをおすすめします。

肌に刺激を与えないよう注意する

肌に刺激を与えないよう注意することも、シミやそばかすの予防に効果的です。肌への刺激はメラノサイトの活性化につながるためです。

ニキビや傷ができた場合はできるだけ触れないようにし、炎症性色素沈着を引き起こさないよう注意しましょう。

また洗顔やメイクの際も過度な刺激を避け、肌に優しく触れるようにするとよいです。洗顔時のタオルによるこすれや、スキンケア時の肌の摩擦なども注意が必要です。

健康的な食生活を心がける

和食

バランスのとれた健康的な食生活を心がけることもシミやそばかすの予防につながります。

偏った食事による栄養素の偏りは、肌の代謝(ターンオーバー)に悪影響を及ぼすためです。

代謝がよい状態を維持することで、メラニン色素が蓄積してシミになることを防ぐことができます。

生活リズムを整えてストレスを解消する

生活リズムを整え、ストレスをためないこともシミやそばかすの予防に効果的です。

睡眠不足や不規則な生活習慣、ストレスを抱えた状態はターンオーバーを阻害するほか、肝斑の発生原因となるホルモンバランスの乱れを招きます。

美容と健康のため十分な睡眠や適度な運動を心がけ、ストレス解消に努めましょう。

まとめ

笑顔の女性

皮膚表面に現れる色の付いた斑点を総称してシミといい、そばかすはシミの一種です。

主なシミの種類はそばかす・老人性色素斑・肝斑・炎症性色素沈着で、直接的な原因はメラニン色素の蓄積です。

老人性色素斑や肝斑、炎症性色素沈着は主に外部刺激によって引き起こされる一方で、そばかすの発生には体質や遺伝などが影響します。

好発年齢は、そばかすは幼少期から思春期、その他のシミは30歳代以降という違いがあります。

治療方法は一般的なシミ(老人性色素斑)とそばかすに違いはなく、内服薬・外用薬・施術(レーザーまたは光照射)です。

肝斑の有無によって適する治療方法が異なるため、医療機関で医師に相談することをおすすめします。

シミやそばかす予防のために紫外線対策をしっかりと行い、肌への強い刺激を避けて規則正しい生活を送ることを心がけましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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