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ニキビが頭皮にできる原因は?治療方法や頭皮ニキビに似た皮膚疾患について解説!

ニキビが頭皮にできる原因は?治療方法や頭皮ニキビに似た皮膚疾患について解説!

頭皮にできるニキビは、顔や背中にできるニキビと同じように悩みの種となる皮膚トラブルです。シャンプーをしていたら、気が付かずに潰してしまった! といったこともあるかもしれません。この記事では、頭皮にニキビができる具体的な原因や症状、治療方法、そして頭皮ニキビに似た皮膚疾患について詳しく解説します。ニキビを悪化させないための予防策も紹介しますので、頭皮の健康を保つための参考にしてください。

頭皮にできるニキビとは

頭皮にできるニキビとは 頭皮にできるニキビは顔にできるニキビのように目立ちはしませんが、痛みやかゆみを伴うことも多く、悩んでいる人もいるのではないでしょうか? ここでは、頭皮にできるニキビの症状と原因について紹介します。

頭皮にできるニキビの症状について教えてください。
頭皮にできるニキビの主な症状は、小さな赤いブツブツや膿(うみ)を持った吹き出物です。炎症を伴うことが多く、痛みやかゆみを引き起こします。特に髪を洗うときやブラッシングの際に刺激を受けやすく、触れると痛みを感じる部分も出てきます。
頭皮にニキビができる原因は何ですか?
いくつかの要因が重なって起こると頭皮にニキビができる主な原因となります。まず、頭皮は身体のなかで皮脂腺が多く存在するため、皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすく、ニキビの発生につながります。さらに皮脂や汚れ、古い角質が毛穴に詰まることで、炎症を引き起こしやすくなるのです。特にシャンプーやスタイリング剤の洗い残しが毛穴に詰まることが、大きな原因です。
また、頭皮には多くの細菌が存在し、特にアクネ菌が毛穴に入り込むと炎症を起こします。ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が増加することも、頭皮ニキビの大きな要因です。思春期やストレス、睡眠不足などが影響します。
最後に、不適切なヘアケアも頭皮ニキビの原因です。過剰なシャンプーや洗浄力の強いシャンプーの使用は頭皮を乾燥させ、皮脂分泌を促進します。また、ヘアケア製品の使い過ぎやすすぎ不足も毛穴の詰まりを引き起こします。
このように、頭皮ニキビは皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、細菌の増殖、ホルモンバランスの乱れ、不適切なヘアケアが複合的に絡み合って発生するのです。

頭皮のニキビの治療方法

頭皮ニキビができてしまったら、市販薬ではなく医療機関から処方される薬を使うのがおすすめです。ここでは、頭皮のニキビを治療するには何科を受診すればよいのか、内服薬を使った治療法についても解説します。

頭皮のニキビを治療するには何科を受診すればよいですか?
頭皮のニキビを治療するには、まず皮膚科を受診しましょう。皮膚科医は皮膚の専門家であり、頭皮の状態を詳しく診断し、適切な治療方法を提案してくれます。また、ホルモンバランスの乱れが原因の場合は、内科や婦人科との連携した治療が効果的です。
内服薬を使った頭皮のニキビの治療について教えてください。
頭皮のニキビ治療において、内服薬は効果的な選択肢の一つです。内服薬には抗生物質、ホルモン療法、ビタミン剤などがあります。抗生物質は、細菌の増殖を抑える効果があり、炎症を鎮めるために使用されます。特に、ミノマイシンやビブラマイシンなどが一般的です。ホルモン療法ではホルモンバランスを整えることで皮脂の分泌を抑制し、ニキビの発生を減少させます。また、ビタミン剤は皮膚や粘膜を健康に保つ目的で、ビタミンBやビタミンEが使用されます。
外用薬を使った頭皮のニキビの治療について教えてください。
外用薬は、頭皮のニキビの治療に広く使用される方法です。一般的には、ローションやクリームが処方されます。抗菌薬である過酸化ベンゾイルはアクネ菌のタンパク質合成を阻害し、増殖を抑える抗菌作用を持ちます。アダパレンは、毛穴が固くなるのを防いで、毛穴の詰まりを改善する効果があるため、ニキビができにくくなります。これらの薬は直接ニキビ部分に塗ることで炎症を抑え、細菌の増殖を防ぎます。市販のニキビ治療薬もありますが、医療機関で適切な薬を処方してもらうことが完治までの近道です。

頭皮のニキビを悪化させないために気をつけること

頭皮のニキビを悪化させないために気をつけること 頭皮にニキビができてしまったら、悪化させないために日常生活でどのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは、洗髪やドライヤーなどの使用にも着目して解説します。

頭皮にできたニキビを触ったり潰したりするとどうなりますか?
頭皮にできたニキビを触ったり潰したりすると、炎症が悪化し、さらに感染を引き起こす可能性があります。触ることで手に付着している細菌がニキビに入り込み、炎症を悪化させるのです。また、潰すことで皮膚が傷つき、治りが遅くなるだけでなく、色素沈着や瘢痕(はんこん)が残るリスクも高まります。頭皮のニキビは自然に治るのを待つか、適切な治療を受けることが重要です。
頭皮のニキビを予防するために髪の毛は1日に何回も洗ったほうがよいですか?
髪の毛を1日に何回も洗うと、頭皮のニキビ予防には逆効果です。過剰なシャンプーは頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまうため、頭皮が乾燥してしまいます。それにより、皮脂が過剰分泌してしまうのです。理想的には、1日1回、適度な洗浄力のシャンプーを使用して洗髪し、頭皮の清潔を保つことが推奨されます。夏場に汗がどうしても気になる場合は、シャンプーを使わずお湯だけで洗髪するのがおすすめです。
頭皮のニキビを予防するためにドライヤーは控えた方がよいですか?
ドライヤーの使用自体が頭皮のニキビの原因になることは少ないですが、正しい使い方が重要です。高温で長時間髪を乾かすと、頭皮が乾燥し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。ドライヤーは低温設定で使用し、髪の根元から先端に向かって乾かすとよいでしょう。髪の毛や頭皮を濡れたままの状態にしておくことはおすすめしません。湿気を好む雑菌が繁殖し、ニキビを含む炎症性の皮膚疾患を発症する可能性が高くなります。

頭皮ニキビに似ている皮膚疾患

頭皮にできる皮膚疾患には、ニキビに似た症状が出るものもあります。ここでは皮膚疾患とその特徴について紹介します。

頭皮ニキビに似ている皮膚疾患にはどのようなものがありますか?
頭皮ニキビに似ている皮膚疾患には以下のようなものがあります。

・脂漏性皮膚炎
頭皮の脂漏性皮膚炎は、赤くうろこ状のフケを伴い、かゆみを引き起こします。皮脂の過剰分泌が原因で、頭皮が油っぽく見える傾向があります。

・毛包炎
毛包炎は、毛穴の奥の毛根を包んでいる毛包や毛嚢(もうのう)に細菌が感染することで起こる炎症です。痛みやかゆみを伴うことが多く、赤みを帯びた発疹(丘疹)や周囲が赤く膿を持った発疹(膿疱)がみられます。

・接触皮膚炎
接触皮膚炎はアレルゲンや刺激物との接触により起こる皮膚の炎症で、赤みやかゆみ、水疱(すいほう)などの症状が現れます。頭皮の接触皮膚炎では、ヘアケア製品や染毛剤などが原因になることがおおいです。

・化膿性汗腺炎
化膿性汗腺炎は汗腺の慢性的な炎症で、慢性膿皮症とも呼ばれています。痛みを伴う結節ができたり、皮膚が赤く腫れたり、膿を持って腫れたりするのが特徴です。

脂漏性皮膚炎の治療方法を教えてください。
脂漏性皮膚炎はカビ(真菌)が原因で起きると考えられているため、治療は抗真菌薬や抗炎症薬が使用されます。抗真菌薬であるニゾラールとステロイド外用薬の併用が一般的です。頭皮に塗りやすいローションタイプを使用し、炎症が起きている地肌に塗ります。日常生活では脂分のおおい食事を減らし、ストレスや睡眠不足を避けることで悪化しにくくなります。
毛包炎の治療方法を教えてください。
軽度の毛包炎の場合、治療しなくても自然に治ることもあります。痛みがあったり数が多かったりする場合は、外用の抗菌薬が有効です。炎症が広がり重症化している場合は、内服の抗生物質で治療します。
接触皮膚炎の治療方法を教えてください。
接触皮膚炎の治療は、まず原因物質との接触を避けることが重要です。原因物質が特定できた場合、その使用を中止し、代替品を使用します。症状を和らげるために、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン剤が使用されることが一般的です。症状が重い場合は、内服のステロイドや免疫抑制剤が処方されることもあります。
化膿性汗腺炎の治療方法を教えてください。
化膿性汗腺炎の治療は、軽度であれば抗生物質や抗炎症薬の使用が基本です。局所的な感染の場合は外用薬が使用され、症状が広範囲にわたり慢性的な場合は、内服の抗生物質や免疫抑制剤が処方されます。重症例では手術による病変部の除去が必要です。

編集部まとめ

頭皮にできるニキビは、皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まり、細菌感染などが原因で発生します。治療には皮膚科の受診が必要で、内服薬や外用薬を用いた治療が効果的です。また、頭皮のニキビを悪化させないためには、適切なヘアケアと予防策が重要です。さらに、頭皮ニキビに似た皮膚疾患には脂漏性皮膚炎や毛包炎、接触皮膚炎、化膿性汗腺炎などがあり、それぞれの疾患に応じた治療が必要です。早期発見と適切な治療で、健康な頭皮を保ちましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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