ハイフは、高密度の超音波をSMAS筋膜と呼ばれるコラーゲンでできた層に照射する施術で、たるみの改善や引き締め効果が期待できます。
この方法は、皮膚表面から狙った部位に超音波を照射するだけです。低侵襲で負担も少ないことから、興味をお持ちの方も少なくないでしょう。
しかし、施術後のケアも重要とされており、中でも食事に気を遣うべきか知りたい方もいるかもしれません。
そこで本記事では、ハイフ施術後は食事に気をつける必要があるのかを解説します。
また、施術後の食事の注意点・食事制限がある理由・食事の選び方なども紹介しますので、参考にしてください。
ハイフ後は食事制限した方がいいって本当?
ハイフを受けた後は食事に気をつける必要があると聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、施術を受けた後はある程度食事に気を遣うことが大切です。間違った認識で食事を摂ってしまうと、ハイフの効果を低減させてしまう可能性があります。
これには、ハイフの仕組みが関係しています。ハイフは、高密度の超音波が肌の土台であるSMAS筋膜にピンポイントでアプローチするというものです。
SMAS筋膜とは表在性筋膜と呼ばれる部位であり、衰えると肌の土台として支えになるのが難しくなります。そのため、肌のしわやたるみの原因につながるのです。
ハイフは肌の土台となるSMAS筋膜を引き締める効果に期待でき、たるみなどを目立たなくする効果が見込めます。
しかし、ハイフを受けた後は食事を吸収しやすい状態になっています。そのため、何も考えずに好きに食事を摂ってしまうと、ハイフの効果を弱めてしまうかもしれません。
最低2時間は何も食べない
ハイフ後の食事で注意したいポイントの1つは、最低2時間は何も食べないことです。
まったく何も食べないと聞くと、適切な食事対応なのか気になる方も多いでしょう。
詳細な仕組みや理由は後述しますが、ハイフ後は溶かした脂肪を分解するために、肝臓がフル稼働している状態です。
しかし、施術後に食事を摂ってしまうと、食事から得た栄養を優先的に分解しようと肝臓が働いてしまいます。
その結果、せっかくハイフで溶かした脂肪が上手く分解されない可能性があるのです。
このような身体の不調を起こさないためにも、ハイフ後最低2時間程度は何も食べずに過ごしましょう。
ハイフ後に2〜3日は食事内容に気を付ける
食事は、ハイフ直後だけ気を付ければよいわけではありません。ハイフ後2〜3日程度は、食事内容に気を付ける必要があります。
これは、先述した肝臓による脂肪の分解と排出が、術後3日程度続く場合があるためです。
この期間は肝臓が脂肪を分解しようと活発に働いています。高カロリーなものを食べてしまうと食事から得た栄養を優先的に分解しようとするため、負担となってしまいます。
これによってハイフの効果が弱まってしまうので、術後2〜3日程度はヘルシーな食事を心がけましょう。
ハイフ後に食事制限がある理由とは
ハイフ後の食事の注意点をご紹介しましたが、その理由をより詳しく解説します。
施術直後は脂肪の一部が溶けた状態となり、身体が大きく変化しているタイミングです。
そのため、きちんと状態を把握したうえで食事制限の重要性を理解して対応しなければ、ハイフの正しい効果が見込めません。それどころか、身体の負担を増やしてしまうこととなります。
食事がハイフの効果を妨げる
食事制限がある理由は、食事がハイフの効果を妨げるためです。
先述したように、ハイフ後は3日程度は食事に注意しなければなりません。
ハイフ後は、体内の脂肪が減り脳が栄養不足と判断している状態であり、非常に吸収率のよい状態になっているためです。
このときの食事で高カロリーなものを摂ってしまうと、大量の栄養が身体に取り込まれてしまうのです。取り込まれた栄養の中でも、脂肪などは肝臓によって分解されます。
本来であれば、ハイフで溶かされた脂肪を分解していた肝臓が、食事で摂取した脂肪の分解を優先してしまうためハイフの効果を妨げてしまうのです。
ハイフの効果を妨げないためにもきちんと仕組みと食事制限の理由を把握しましょう。
むくみ・消化不良の原因になる
食事制限の理由には、むくみや消化不良の原因につながる点も挙げられます。
実は高カロリーな食事以外にも、水分や飲酒もハイフ後の身体に大きく影響を与えるのです。
例えば水分の場合、体内が水分不足になると代謝が悪くなったり老廃物の流れが悪くなったりします。
これによりハイフによって溶けた脂肪がうまく分解や排出されなくなってしまうため、定期的に水分補給をしましょう。
しかし、飲みものであればどれでもよいわけではありません。ジュースは砂糖が多く含まれており、肝臓に負担をかけてしまうため避けた方がよいです。
また、カフェインが含まれるコーヒーには利尿作用があるため、水分が不足した状態となることで肝臓に負担をかけてしまいます。
飲酒も肝臓の負担を増やす原因です。本来であれば脂肪を分解するはずの肝臓が、アルコール分解に力を割いてしまうためハイフの効果が十分に発揮できなくなる可能性があるでしょう。
肝臓に負担がかかるとむくみを引き起こす可能性があります。その負担が多くなり、胆汁不足を起こせば消化不良にもなってしまいます。
ハイフの施術後にヘルシーな食事を摂る必要があるのは、こうした肝臓や胃腸の負担を少しでも軽くするためです。
ハイフの適切な効果を期待するためだけでなく、身体の負担を軽くするためにも、理由を理解して食事制限を行いましょう。
ハイフ後の食事の選び方
ハイフの食事に注意するためには、理由を理解するだけでなく具体的な食事の選び方を把握することも大切です。
ここでは、どのような食事を摂ると身体にとってよいのかをご紹介します。
肝臓に負担のかかる食事を避ける
肝臓に負担のかかる食事を避けることが大切なポイントです。肝臓に負担がかかる食事としては、次のようなものが挙げられます。
- 揚げもの
- お菓子
- ラーメン
- 丼もの
- 添加物の多い食事
これらの食事は、肝臓に負担のかかる脂肪や糖分が多く含まれています。そのため、極力避けて食事を摂るようにしましょう。
砂糖が多いお菓子を避ける
食事が取れないなら、空腹を和らげるためにお菓子はどうかと考える人もいるでしょう。しかし、多くのお菓子には砂糖が豊富に含まれているため、避ける方が無難です。
糖分の過剰摂取は、肝臓へ大きな負担を招きます。
また、お菓子と同じく多くの砂糖が含まれているジュースの摂取も、術後は止めておきましょう。
低カロリー・高タンパクな食事がおすすめ
食事内容に迷うのであれば、低カロリーや高タンパクな食事がおすすめです。
ハイフ後は肝臓が脂肪を分解している期間であり、身体の負担を和らげるのに有効なためです。
また、脂肪・タンパク質・糖質などを分解するには、ビタミンやミネラルも欠かせません。そのため、ハイフ後にも積極的にとるとよいです。
水やノンカフェインのお茶をたくさん飲む
水やノンカフェインのお茶を多く飲むことも大切なポイントです。
先述したように、身体が水分不足となると、代謝が悪くなり老廃物が排出されにくくなります。
これはハイフ後の脂肪にもいえることであり、肝臓によってスムーズに分解されて排出されるには水分が必要不可欠です。
そのため、ハイフ後はこまめに水分補給をしましょう。
しかし、先述した通り水分補給とはいえ何を飲んでもよいわけではありません。飲むのであればジュースなどではなく、水やノンカフェインのお茶にしましょう。
また、飲むのであれば冷たいものよりも、常温か温かいものにしましょう。冷たい飲みものは身体を冷やしてしまい代謝を下げる可能性があり、脂肪分解を妨げる恐れがあります。
身体を温められる飲みものにして、少しでも身体に負担がかからないようにしましょう。
適切に食事制限をするためのポイント
ハイフ後の食事は、当日だけではなく2~3日間は注意して摂る必要があります。
そのため、肝臓に負担がかかるような食事は避けなければなりませんが、適切に栄養も摂れる食事でなければなりません。
また、ハイフに限らず適切な食事制限は身体づくりのために必要です。ここでは、適切な食事制限をするためのポイントをご紹介します。
極端な食事制限や断食はやめる
食事制限のポイントとして、極端な食事制限や断食はやめましょう。
食べずに痩せることは非常に危険な行為です。その理由の1つが、基礎代謝が下がってしまうためです。
極端な食事制限や断食は、必要なカロリーも摂取できない状態を引き起こします。すると、基礎代謝が下がり次第に脂肪が燃えにくい身体になってしまう可能性があるのです。
また、身体の潤いやハリが減ることも理由に挙げられます。食事制限や断食が過剰であると、必要な栄養が不足しているため肌や筋肉を正常に維持できなくなります。
ハイフによって肌のたるみが回復しても、肌のハリがなければ美しい見た目を手に入れられません。
栄養不足の状態で優先的に落ちるのは脂肪ではなく筋肉・肌の弾力・水分であり、この状態も身体の維持において大きく影響します。
このように極端な食事制限や断食は、ハイフの正常な効果が得にくくなるだけでなく、普段の身体づくりにも影響するため決して行わないようにしましょう。
摂取する食事は高い栄養素があるものを意識する
摂取する食事は高い栄養素があるものを意識して摂るようにしましょう。
先述したように、高カロリーな食事を摂る以外に栄養不足も避ける必要があります。特に、身体づくりや脂肪燃焼に必要な栄養素は摂らなければなりません。
そのためには、必要な栄養素を多く含む栄養価の高いものを食べるようにしましょう。
例えば、筋肉や骨などを作る植物由来のタンパク質・体調を整えて代謝を向上させるビタミンやミネラル・老廃物の排出に関わる食物繊維などが挙げられます。
一品だけ食べるなど偏った食事も避けよう
一品だけ食べるなどの偏った食事も避けましょう。
効果が期待できる食事制限の方法として、特定の一品だけを食べるとよいなどといった情報を聞くこともあるでしょう。
しかし、この方法では限られた栄養しか摂取できず、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、一品だけに偏るような食事制限は避けましょう。
大切なのは、必要な栄養を取りながら過度にエネルギーを摂取しないことです。食べ過ぎは避ける必要がありますが、ほかの食材もバランス良く摂りましょう。
ハイフ後はタバコやお酒も避けたほうがよい?
ハイフ後は食事制限だけでなく、お酒やタバコも避けた方がよいです。
飲酒については先述した通り、肝臓に負担をかける原因となります。
アルコールを分解するために肝臓が働いてしまい、脂肪分解の機能がスムーズに働かない可能性があります。ハイフ後は特にお酒を控えましょう。
また、タバコも肝臓に負担をかける原因の1つです。肝臓の機能低下を引き起こさないために控えましょう。
ハイフ後の食事や水分摂取について不安な場合には、クリニックにご相談ください。適切な食事のとり方や制限方法などのアドバイスをもらったうえで、適切な施術を受けられます。
まとめ
ハイフは、身体のたるみやしわ改善の効果が期待ができる施術です。
しかし、施術前後で適切な食事を行わなければ、効果を下げてしまう可能性があります。
理想の施術効果を得られないなどで後悔しないためにも、適切な食事制限などを把握して施術を進めましょう。
一般的なハイフの施術費用は50,000〜700,000円(税込)です。
国内では、ダブロやダブロゴールドを導入しているクリニックがあります。現在、国内において承認されているハイフの医療機器はないため、医師の判断のもと個人輸入しています。
個人輸入の注意点については、厚生労働省の「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページをご参照ください。
諸外国における安全性などに係る情報として、擦り傷・発赤・痛み・水ぶくれ・乾燥などがリスクとして報告されています。また、その他のリスクや副反応などが明らかになっていない可能性もあります。
一般的には、ハイフのダウンタイムはほとんどないとされており、施術後はメイクをして帰宅される方も多いです。また、平日のお仕事帰りに施術を受ける方もいます。
施術時の痛み・副作用について不安を抱える方もいるでしょう。その際には、経験豊富なクリニックに相談することで、麻酔や医師の技術で回避・緩和できることもあります。
また、ハイフは自由診療で保険適用外のため、費用が不安な方も多いでしょう。ハイフに興味があるけれど、施術に疑問や悩みを抱えている方は、カウンセリングにて医師と相談することをおすすめします。
参考文献