メスを使うことなくリフトアップ効果が期待できると、近年美容医療業界においてハイフへの注目が集まっています。
しかしながら「ハイフってどのような施術方法?」・「どのような効果があるの?」・「副作用はあるの?」など疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではハイフの効果・副作用と対策・信頼できる美容クリニックを選ぶポイントまで徹底的に解説します。
「ハイフに興味があるけれどもトラブルはなるべく避けたい!」と考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ハイフはどのような施術?
人間の皮膚は表皮・真皮・皮下組織という3つの層から成り立っており、その下にSMAS筋膜と呼ばれる層が存在します。
ハイフとは高密度焦点式超音波を表すHigh Intensity Focused Ultrasoundの頭文字をとった言葉です。高密度な超音波を照射することによってたるみやしわの改善を目指す施術方法です。
小学校の理科の授業において、虫眼鏡で太陽光を一点に集中することにより紙を焦がす実験をしたという記憶がある方は多いのではないでしょうか。
ハイフの原理も基本的にはこれと同様で、特殊なレンズを使って超音波を一点に集中し照射することにより真皮やSMAS筋膜といった肌の土台となる部分に熱を発生させます。
この熱刺激によって真皮やSMAS筋膜が収縮することで肌全体が引き締まり、その結果リフトアップ効果をもたらすのです。
また人体には超音波のエネルギーによって壊れた組織を修復する働きがあり、それによって美肌成分ともいえるコラーゲンやエラスチンが増生されます。
このためハイフによって美肌効果も期待できるのです。
ひとつずつみていきましょう。
たるみ・しわ改善が期待できる
前述したとおり、ハイフは真皮やSMAS筋膜に超音波を集中照射し熱収縮を促していく手法です。
SMAS筋膜は皮膚を支える土台となる部分で、SMAS筋膜が衰えることにより肌にたるみやしわなどがあらわれてきます。
しかし超音波をあてられたSMAS筋膜は発生した熱によって縮みます。その結果皮膚の表面にリフトアップ効果、つまりたるみ・しわ改善の効果があらわれるのです。
ハイフによるたるみ・しわ改善の効果は施術当日に感じる方もいらっしゃいます。その即効性の高さもハイフ施術の魅力のひとつといえるでしょう。
施術からおおむね1ヵ月後が効果のピークとなり、3ヵ月後程度までよい状態が保たれるというのが一般的です。
美肌効果がある
ハイフ施術には美肌効果もあるといわれています。
高密度の超音波をあてられた真皮やSMAS筋膜が熱によるダメージを受けると、体内では壊れた組織を回復する作用が働きます。
この働きの過程において肌の保湿成分であるコラーゲンや弾力を守るエラスチンが生み出され、肌が再生されるのです。
その結果皮膚にハリ・ツヤが生まれ、肌に透明感や潤いが戻るでしょう。
小顔効果がある
加齢によって顔全体がたるんだ状態を、ハイフ施術によりリフトアップさせることで小顔効果が期待できます。
たるむことによって大きく見えていた顔の皮膚や筋膜が前後・上下・左右に収縮し、その結果として顔全体が小さく見えるようになるというわけです。
特に気になりやすい輪郭のもたつき・頬のたるみに対しハイフを施術することで顔全体がぐっと引き締まり、メリハリある若々しい印象に近づけるでしょう。
ハイフの主な副作用
ハイフは副作用がでにくい施術方法だといわれていますが、さまざまな要因によって副作用がでる場合もあります。
ハイフ施術の結果として起こりえる副作用としては、以下の5つがあげられます。
- 赤み・腫れ
- 肌の乾燥
- やけど
- 浮腫み
- 神経損傷
それぞれを詳しく解説します。
赤み・腫れ
ハイフの施術後、若干の赤み・腫れが発現することがあります。
とはいえ過度に赤くなることはほとんどなく、症状がでたとしても化粧で隠せる範囲のものが多いでしょう。
肌の乾燥
ハイフ施術により水分が奪われ、肌が乾燥する場合があります。
施術後しばらくの間は刺激の強い化粧品などを避け、保湿を十分に行ってください。
やけど
ハイフは皮膚の内部にて熱を発生させる施術であるため、やけどをおこす場合があります。国民生活センターにもハイフ施術によるやけどについての相談が寄せられています。
ハイフの調整を誤り高出力で照射すると、過度な熱エネルギーが皮膚に跳ね返ってやけどとなる場合があるのです。
ハイフの出力については、事前のカウンセリングで医師とよく相談して施術を受けましょう。
浮腫み
ハイフ施術後に浮腫みが出る方もいます。気になる場合はクリニックに相談のうえ、施術前に冷やすなどの対処をしましょう。
施術後に浮腫みがでた方はリフトアップの効果を感じにくいかもしれませんが、その場合も浮腫みが引いてくれば効果を確かめられるでしょう。
神経損傷
非常にまれなケースですが、ハイフ施術の副作用として神経損傷を引き起こす場合があります。
特に口の周りの表情筋において生じやすいとされており、神経が通っている場所を熱することによって起こってしまう副作用です。
神経を損傷してしまうと片側の口角が上がったり下がったりする・水などを口に含むと口の端からこぼれてしまうなどの症状があらわれます。
万が一発生したとしても運動神経は再生力が強いため、回復に向かうことが多いでしょう。
神経の走行や筋肉組織についての知識があればほとんど回避できる副作用ですので、信頼できるクリニックにて施術を受けることが大切です。
ハイフの副作用はいつまで続く?
ハイフ施術後におきた副作用としての赤み・腫れや浮腫みなどが軽度である場合、早ければ数時間、長くてもおおよそ1週間程度で引いていきます。
重度な場合や、やけど・神経損傷といったケースにおいても1週間から1ヵ月程で回復することが多いでしょう。
施術中や施術後に違和感を覚えた場合、ただちに医師へ伝えるようにしてください。
また、症状があまり長く続くようであれば、施術を受けたクリニックに相談しましょう。
ハイフの副作用を軽減する方法
ハイフ施術による副作用を軽減するためには施術時に適切な出力で適切な部位に照射する・施術後に適切なケアをすることが必要です。
まずは信頼できる美容クリニックを厳選し、カウンセリング段階で肌質をよく確認してもらう・肌の薄い部分には出力を下げて照射してもらうなど医師との意思疎通をしっかり行いましょう。
またハイフ施術後の肌は乾きやすく、さまざまな刺激に弱く過敏になっている状態です。このため十分に保湿するよう心がけ、紫外線対策もしっかりと行うことが重要です。
さらに過度な血行促進は赤み・腫れを引き起こすリスクをはらんでいるため、施術後しばらくの間は汗をかくような激しい運動・過度な飲酒・長時間の入浴は避けることをおすすめします。
患部へのマッサージも施術翌日まではやめておくのが無難です。
信頼できる美容クリニックを選ぶポイント
もともとハイフは前立腺肥大の治療などに用いられていた医療機器であり、その効用を美容医療に転用しているものです。
このため医療機関が使用しているハイフ機器は出力が高く、この調整を誤ると副作用などトラブルの原因となってしまいます。
ハイフによる超音波は個人の肌状態・筋線維や神経の走行方向などに応じて微調整しながら適切な出力で照射されなければいけません。
副作用のリスクを極力抑えてハイフ施術を受けるためには、解剖学に基づいた確かな知識と技術、そして豊富な経験を有するクリニックを選ぶことが大切です。
ここからは、そのような信頼できる美容クリニックを選ぶポイントをご紹介します。
施術経験が多い
施術経験が多いクリニックを選ぶことは大切です。なぜなら肌質や骨格などはみな異なっており、それにしたがって施術そのものを調整する必要があるからです。
これまで多くの患者へ施術してきたクリニックにはそういったノウハウが蓄積されており、適切な箇所に適切な出力での施術が期待できます。
カウンセリングが丁寧
信頼できる美容クリニックを見極めるポイントとして、カウンセリングが丁寧かという点も重要です。
カウンセリングの時点で肌質や仕上がりイメージだけではなく、ライフスタイルといった部分まできめ細かにヒアリングしてくれるクリニックをおすすめします。
肌質や体質によってはどうしてもハイフ施術後に赤み・腫れなどの副作用がでてしまうことも考えられ、そういった場合の症状を軽減するためにも丁寧なカウンセリングは必須です。
ハイフ施術について疑問点や不安点がある場合はカウンセリングで納得いくまで説明を求め、どのような質問にも丁寧に回答してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。
施術後のフォローが充実
ハイフは基本的にダウンタイムの少ない施術手法だといわれていますが、副作用のリスクを完全に避けることはできません。
万が一副作用がでてしまった場合に、しっかりとフォロー体制をとってくれるクリニックを選びましょう。
カウンセリング段階において施術後の過ごし方やケアの方法もしっかり説明してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
緊急の場合も連絡が取れ診察をしてくれるクリニックであるならば、なお安心感があるでしょう。
まとめ
本記事によってハイフ施術の効果や副作用が理解できたでしょうか。ハイフ施術を検討しているのであればやはり自身でも情報を集めることをおすすめします。
特に上記で紹介した信頼できるクリニック選びは、不安なく施術を受けるために大変重要なポイントです。
さまざまなクリニックがホームページにおいてハイフ施術の方針や実際の流れだけでなく、使用するハイフ機器についても紹介しています。
これらの情報から自身の希望に沿ったクリニックを厳選したうえでカウンセリングに臨み、医師自らがしっかりと聴き取り説明をしてくれるか・要望や疑問点について丁寧に回答してくれるかを見極めましょう。
最後になりますが、美容目的のハイフ施術は自由診療であり公的医療保険の適用外となります。
一般的な費用相場は77,000円〜230,000円(税込)です。導入機器・施術範囲・クリニックの方針により費用も異なりますので、施術前に確認しましょう。
カウンセリング段階である程度費用の概算をつかめれば、後々資金不足で施術の中断を余儀なくされるといった事態を避けられるでしょう。
この記事が、ハイフの施術選択の手助けとなれば幸いです。
参考文献