にきび跡がシミになって悩まれている方は多いのではないでしょうか。 にきびが鎮静した後も色素沈着が残ることがありますが、原因や予防方法について詳しく知ることが重要です。 本記事では、にきび跡がシミになる原因や皮膚科での治療について、以下の点を中心にご紹介します!
- にきび跡がシミになる原因
- シミになりやすいにきび
- にきび跡からシミにならないようにするための習慣
にきび跡がシミになる原因や皮膚科について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。
にきび跡のシミとは?
にきび跡のシミは、にきびが鎮静した後に肌に残る色素沈着のことを指します。にきびの炎症が強いと、メラニン色素が過剰に生成され、その結果、跡がシミとして残ることがあります。
シミは時間とともに薄くなりますが、消えるには半年〜3年程かかることがあるため、にきびができた場合は早期に治療を受けることが大切です。
にきび跡がシミになる原因
にきび跡がシミになるのはどういう理由なのでしょうか? 主な原因を詳しく解説します。
炎症後紅斑
炎症後紅斑は、炎症によって患部の毛細血管が増え、肌が赤くなる症状です。にきびを潰した際の出血が原因で赤い色素沈着が起こり、赤血球が漏れ出してにきび跡に赤みが残ります。この赤みは、肌のターンオーバーによって自然に消えていくとされていますが、深い部分での炎症が原因の場合は、消えにくくなることがあります。
炎症後紅斑を改善する方法として、血管にアプローチする方法が挙げられます。 美容皮膚科では、ビタミンCの導入やピーリングなどが行われ、活性酸素を除去し、皮脂の分泌を抑えることで炎症を緩和します。 したがって、肌の健康を保つためには、炎症を起こさないよう日常のケアを徹底することが重要です。
色素沈着
にきびの炎症が長引くと、肌を守るためにメラノサイトが活性化し、大量のメラニンが生成されます。このメラニンが薄茶色の色素沈着を引き起こし、にきび跡として残ります。日焼け後に肌が茶色く変色するのと同じメカニズムです。
色素沈着は肌のターンオーバーで自然に消えることもありますが、濃く残る場合もあるため、メラニンの生成を抑え、ターンオーバーを促すことが重要です。 にきび跡の色素沈着は、ビタミンC誘導体やレチノイド、ビタミンEを含む処方薬やピーリング治療での効果が期待できるため、正しいケアで健康な肌を保ちましょう。
肥厚性瘢痕
にきびの炎症が長引くと、破壊された細胞を修復するために皮膚のコラーゲンが過剰に生成され、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)、またはケロイドが形成されます。 肥厚性瘢痕は自然に改善されることもありますが、長期間残る場合や広がることもあります。 ケロイドは顎の下など、皮膚が伸びやすい部位に多く見られます。
ケロイドの治療には、ステロイド薬の注射や塗り薬、シリコンジェルシート、ボツリヌス毒素の注射などが使用されます。治療しても赤みが消えない場合はレーザー治療も行われ、治療期間は約1〜4年が目安となるため、適切なケアで健康な肌を保ちましょう。
シミになりやすいにきび
シミになりやすいのは、赤く腫れた赤にきびや、膿が溜まった黄にきびです。ケアを誤るとシミになる可能性があります。 特に紫にきびは重度の炎症を引き起こしている状態のため、医療機関での治療が必要です。 一方、白にきびや黒にきびは跡が残りにくいため、悪化させないよう早期にケアしましょう。
もしにきび跡のシミが良くならない場合は、皮膚科医に相談してください。
にきび跡からシミにならないようにするための習慣
にきび跡はできるだけシミにならないようにしたいですよね。 にきび跡からシミにならないようにするための習慣について、以下で解説します。
紫外線対策をしっかりとする
にきびができているときに、紫外線を浴びてしまうと過剰なメラニンが生成され、シミとして残りやすくなります。 紫外線を完全に避けることは難しいですが、以下の紫外線対策を行い、メラニン生成を抑えましょう。
【日焼け止めの使用】
紫外線対策の基本は日焼け止めです。日焼け止めを塗ることで、紫外線を直接浴びるのを防ぎます。 夏だけでなく、冬や曇りの日、室内でも紫外線はあるため、年間を通して日焼け止めを使用しましょう。
特に窓際にいることの多い方や、光が多く入るオフィスで働く方は、日焼け止めが必要です。
【日傘や帽子の使用】
屋外に出る際は日傘や帽子を使用することで、紫外線を直接浴びるのを防ぎましょう。 特に日中は紫外線が強いため、日が落ちてからの外出や、日陰を選んで歩くこともおすすめです。 紫外線対策を徹底することで、にきびの悪化とにきび跡の予防につながります。
日焼け止めを選ぶ際は、肌に刺激が少ないものを選び、にきびを悪化させないように心がけてください。
保湿ケアを行う
肌の乾燥を防ぐためには、化粧水や乳液、クリームなどを適切に使用することが重要です。定期的に保湿を行い、スキンケアを徹底することで、にきびの再発を防ぎ、シミができるリスクを減らせます。
また、自身の肌に合った基礎化粧品を選ぶことも大切です。肌に合わない化粧品を使い続けると、肌への刺激が増え、にきびやシミの原因となります。 さまざまな製品を試して、自身に合ったものを見つけましょう。
このように、しっかり保湿を行うことでバリア機能を強化できるため、適切なケアで肌を守り、にきび跡のシミを防ぎましょう。
優しく洗顔する
肌を清潔に保つために洗顔は欠かせませんが、正しい方法で洗顔することが大切です。 洗顔するときは、ぬるま湯を使用し、熱すぎず冷たすぎない温度で洗いましょう。 洗顔料をしっかりと泡立て、その泡で顔を優しく覆うように洗います。
洗い流す際も、ぬるま湯で優しく泡を落とします。顔に手を強く当てず、手ですくったぬるま湯で顔を覆うように泡を落とすのがおすすめです。 タオルで水気を取る際も、軽く押し付ける程度にしましょう。
にきびがあるときは、刺激の強い洗顔料は避け、肌に刺激の少ないものを選ぶことが大切です。 優しく洗顔する習慣を身につけることで、にきびの悪化を防ぎ、シミになるリスクを減らしましょう。
摩擦や刺激を与えない
にきびを潰すと、肌を必要以上に傷つけ、にきび跡やシミが残るリスクが高まるため、注意が必要です。
まず、にきびを触ったり潰したりするのは避けましょう。 洋服を着脱するときにも、にきびのある箇所に服が当たらないように注意が必要です。
ムダ毛を処理する際も、にきびがある箇所へのカミソリ使用は控えましょう。 産毛の処理でも、カミソリは肌に大きな刺激を与えるため、光やレーザー脱毛も避けてください。 また、かゆみがあっても、掻いたり叩いたりするのは厳禁です。
基礎化粧品を使用するときには、優しく塗ることを心がけましょう。 基礎化粧品は強く叩き込まなくても浸透するため、顔全体を覆うようなイメージで優しく塗布することが大切です。
このように、肌への摩擦や刺激は、バリア機能を低下させ、乾燥や色素沈着を助長するため注意が必要です
【種類別】にきびのシミ化を防ぐためにできること
にきびのシミ化を防ぐためにできることはあるのでしょうか。以下でにきびの種類ごとの予防法を見ていきましょう。
赤にきび
赤ニキビは、肌の毛穴が炎症を起こし、毛細血管が増加して肌に赤みが現れる状態を指します。赤みは、炎症が引いた後も一定期間残りますが、肌の自然な新陳代謝によって次第に薄れていきます。炎症は、ニキビが潰れる際の出血や、それに伴う赤血球の色素沈着も原因となることがあります。
赤にきびのシミ化を防ぐための基本的なケアは以下のとおりです。
- メイクは控えめに:メイクは肌に負担をかける可能性があります。 特に赤にきびがある場合、メイクは控えめにし、肌を休ませることが重要です。
- 優しい洗顔:洗顔は肌を清潔に保つために必要ですが、強くこすると肌を刺激し、炎症を悪化させる可能性があるため、優しく洗顔し、肌を清潔に保つことが大切です。
- 丁寧な保湿ケア:保湿は肌のバリア機能を高め、にきびの原因となるバクテリアの繁殖を防ぎます。洗顔後は肌質に合った化粧水や乳液でたっぷりと保湿しましょう。
- 早期の医療機関受診:状態が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。病院では、塗り薬や内服薬で炎症を抑えたり、ピーリングで角質の一部を取り除いたり、面に基づいた圧出でにきびの芯を取り除く治療を行います。
黄にきび
黄にきびは赤にきびが進行し、炎症が激しくなり、毛包壁が破壊される症状です。皮膚が膿を含み黄色く変色し、痛みを伴うこともあります。色素沈着やにきび跡のリスクが高まるため、早期治療が重要です。
黄にきびのシミ化を防ぐためには、以下の点に気を付けましょう。
- 黄にきびの進行を防ぐ:黄にきびまで悪化させないことが重要です。初期段階での適切なケアが、シミ化を防ぐための第一歩となります。
- 早期の皮膚科受診:炎症がひどい場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。医師の指導のもとで適切な治療を受けることが、シミ化を防ぐための重要なステップです。
- 薬用洗顔料の使用:薬用洗顔料は、にきびの原因となる皮脂や汚れをしっかりと落とし、肌を清潔に保つ効果が期待できます。
- 抗菌薬の使用:抗菌薬は、にきびの原因となるバクテリアを抑制し、炎症を抑える効果が期待できます。
- 炎症を抑える内服薬の使用:炎症を抑える内服薬は、体内からにきびを治す助けとなります。
皮膚科での専門的なアドバイスも受けつつ、自身の肌を大切にしましょう。
白にきび
白にきびは、にきびの初期形態であり、毛穴が皮脂で塞がれている状態です。表面が小さく盛り上がり、白っぽく見える特徴があります。触ったり潰したりすると、刺激を与えて状態を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。毛穴は閉じていますが、炎症はまだ起こっていないため、適切なケアをすれば治りやすいにきびとされています。主なケア方法は以下のとおりです。
- 肌の清潔さを保つ:肌を清潔に保つことが重要です。よく泡立てた石けんや洗顔料で優しく洗顔し、肌を清潔に保つことが必要です。
- 保湿:洗顔後は肌質に合った化粧水や乳液でたっぷりと保湿します。保湿は肌のバリア機能を高め、にきびの原因となるバクテリアの繁殖を防ぎます。
- 規則正しい生活:睡眠をしっかり取るなど、規則正しい生活を送ることも大切です。 健康的な生活習慣は肌の健康にも寄与します。
- にきびを触らない:白にきびは、跡を残さずに改善できる可能性が高いため、にきびを触らないようにし、丁寧なケアを心がけることが重要です。
上記の点に気を付け、白にきびのシミ化を防ぎましょう。
茶色にきび
茶にきびは、重症化したにきびが治癒した後にメラニン色素が肌に残り、茶色のシミとして現れる現象です。肌は紫外線や炎症などの外部刺激から身を守るためにメラニンを生成しますが、過剰にメラニンが作られると、本来はターンオーバーで排出されるべきメラニンが肌に滞留してしまいます。にきびの影響で肌の新陳代謝が乱れると、メラニンがうまく除去されずに茶色いシミとして残ることがあります。
茶色にきびのシミ化を防ぐためには、以下の点に気を付けましょう。
- 紫外線対策:紫外線は肌のメラニン色素を活性化させ、シミの原因となります。 日焼け止めを毎日塗り、帽子や日傘を利用して肌を守ることが重要です。
- 適切な洗顔:毛穴の汚れや皮脂がにきびの原因となり、その後シミに変わる可能性があるため、刺激の少ない洗顔料を使用し、丁寧に泡立ててからマッサージするように洗うことが推奨されます。
- 保湿:乾燥は肌のバリア機能を低下させ、にきびの原因となるバクテリアの繁殖を促進します。保湿剤を使用して肌をしっかりと保湿し、肌のバリア機能を高めることが重要です
- 医療機関での治療:ケミカルピーリングやレーザー治療は、メラニン色素の排出を助けるため、茶色にきびが気になる場合は、皮膚科医のアドバイスを受けることが肝要です。
黒にきび
黒にきびは、毛穴が開いて空気に触れることにより、内部の皮脂が酸化し黒く見える状態です。白にきびが進行した形であり、炎症はまだ発生していません。黒ずみが目立つため気になるかもしれませんが、触ることで状態を悪化させることがあるので注意が必要です。適切な洗顔で余計な皮脂や汚れを落とし、保湿を心がけることで、跡を残さず治癒する可能性が高くなります。
黒にきびのシミ化を防ぐための基本的なケアは以下のとおりです。
- 毛穴の清潔さを保つ:毛穴の汚れや皮脂がにきびの原因となり、その後シミに変わる可能性があるため、毛穴を清潔に保つことが重要です。
- 優しい洗顔:刺激の少ない洗顔料を使用し、丁寧に泡立ててからマッサージするように洗うことが推奨されます。洗顔後は必ずすすぎ残しがないようにしましょう。
- 保湿:乾燥は肌のバリア機能を低下させ、にきびの原因となるバクテリアの繁殖を促進するため、保湿剤を使用して肌をしっかりと保湿し、肌のバリア機能を高めることが重要です。
- 紫外線対策:紫外線は肌のメラニン色素を活性化させ、シミの原因となるため、日焼け止めをこまめに塗布し、紫外線から肌を守ることが必要です。
- 日々のスキンケア:にきびができた場合でも、焦らずに丁寧に対処しましょう。にきびの色や形はその状態に応じて異なりますが、基本的なケアを欠かさず行うことが、美しい肌を保つために重要です。
紫にきび
紫にきびは、膿が溜まり、さらに炎症が広がって血液も関与すると赤紫色に見える状態を指します。黄にきびがさらに悪化した形態であり、正式には嚢腫や結節とも呼ばれます。紫にきびは、炎症により周囲の皮膚組織がダメージを受け、修復過程で新しい血管が形成され、瘢痕組織や内出血が引き起こされることが原因で紫に見えます。症状が重く、治癒してもにきび跡が残る可能性が高いため、適切な治療が必要です。
紫にきびのシミ化を防ぐための基本的なケアは以下のとおりです。
- 紫外線対策を徹底する:日焼け止めを使用して肌を保護し、日傘を使用するなどして直接的な日光を避け、紫ニキビがある場合は、日焼け止めの成分が患部を刺激しないか医師に相談しましょう。
- バランスの良い食事とビタミンの摂取:塩分過多や高カロリーの食事を避け、緑黄色野菜や食物繊維が豊富な食事を心がけ、ビタミンが豊富な食材やサプリメントを利用して、肌のターンオーバーを促進し、皮脂分泌を抑制します。
- 質の良い睡眠を確保する:最低6~8時間の睡眠を取り、寝不足を避ける。規則的な就寝・起床時間を設け、就寝前のリラクゼーション(例:ストレッチ)で質の良い睡眠を促しましょう。
- 毎日のスキンケアを丁寧に行う:洗顔は1日2回を守り、過度な洗顔は避けて、肌を刺激から保護します。保湿は洗顔後に必ず行い、肌の乾燥を防ぐことが重要です。
- 清潔な寝具を使用する:寝具は定期的に洗濯し、枕カバーやシーツは頻繁に交換することで、ニキビを悪化させる菌の繁殖を防ぎます。
気になるにきび跡のシミは皮膚科へ相談しよう
白にきびは早期の適切なケアで改善が期待できる一方、赤にきびが進行し炎症が起きると、にきびが消えても赤みやシミ、クレーターのような跡が残ることがあります。 にきび跡を自然に元の肌状態に戻すのは簡単ではないため、皮膚科での適切な治療が推奨されます。
にきび跡の治療法は多岐にわたり、ピーリング、レーザー治療、光治療などがあります。ピーリングは肌表面の古い角質を取り除き、ターンオーバーのサイクルを整える施術法です。
レーザー治療は黒い色素に反応するレーザーを肌に照射し、メラニン色素を分解し、排出を促すものです。なかでもフラクショナルレーザーは、皮膚に微細な穴を開け、成長因子を浸透させる施術法です。
光治療は複数の波長の光を照射し、にきび跡だけでなく、にきびの殺菌やくすみにも同時にアプローチします。 これにより、肌のキメが整い、にきび跡の改善も期待できます。
したがって、きび跡のシミが気になる場合でも、自己判断で炎症後色素沈着と決めつけず、医師の診断を受けることがシミを治す近道といえます。
まとめ
ここまで、にきび跡がシミになる原因や皮膚科での治療についてお伝えしてきました。 にきび跡がシミになる原因や皮膚科での治療について、要点をまとめると以下のとおりです。
- にきび跡がシミになる主な原因は、炎症後紅斑、色素沈着、肥厚性瘢痕で、炎症やメラニンの過剰生成およびコラーゲンの過剰生成により引き起こされる
- 赤く腫れた赤にきびや膿が溜まった黄にきびはシミになりやすい
- にきび跡がシミにならないようにするためには、紫外線対策、保湿ケア、優しい洗顔、摩擦や刺激を避けることが大切
にきび跡のシミは、肌の健康や外見に影響を与える厄介な問題ですが、適切なケアと皮膚科医のアドバイスにより、改善できる可能性があります。 にきび跡のシミに悩んだときは、皮膚科で治療を受けることが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。